ゲムゲム
GEMFOREXの本拠地(ベトナムサポートセンター)とライセンス先(セントビンセントおよびグレナディーン諸島、セーシェル、モーリシャス)を現地調査しましたので紹介します。
元々は各業者の本拠地とライセンス先を調査していたので本来の目的とは違いますが、その間にいろいろとトラブルになったので、凸レポートみたいになってしまいました。
このレポートは何かの役に立つかもしれませんので、いろいろな用途でお役立てください。
GEMFOREXの本拠地とライセンス先
GEMFOREXでは公開されている拠点が4つあります。
ベトナムサポートセンターは本拠地としてカスタマーサポートが置かれている(と言われていた)場所です。
セントビンセントおよびグレナディーン諸島は日本向けライセンスとしての「Gemtrade LLC」の登記先です。
セーシェルとモーリシャスは親会社「Gemtrade Co., Ltd」としての登記先となります。
実際にGEMFOREXは日本向けの営業がメインなので、親会社と子会社に分けるメリットがあまり無いかと思いますが、一応2つの会社に分かれています。
セントビンセントでは外国為替の仲介活動は認められていない
セントビンセントの金融庁のホームページを見ると、このような注意書きがあり、外国為替の仲介活動は認められていないことが記載されています。
その下を見ると、「適切な法律が制定されるまでは」との記載もあるので、法律上は制限されていないようです。
つまり、法の抜け穴を使って、セントビンセントで法人登記をしていることになるので、セントビンセントのライセンスはかなりグレーなものとなります。
GEMFOREXの拠点・ライセンス先の調査レポート
ではGEMFOREXの拠点とライセンス先の調査した結果を紹介します。
ベトナムサポートセンターはGEMFOREXの名前は無い
GEMFOREXのベトナムホーチミンにあるとされていたサポートセンター(A&B; Tower, 76 Le Lai Street, Ben Thanh Ward, Dist. 1, Ho Chi Minh City, Vietnam)を調査しました。
1階にあるテナント案内板を見ましたが、GEMFOREXやGEMTRADEの名前は確認できませんでした。
受付の方に聞いてみましたが「5年以上働いているが、GEMFOREXやGEMTRADEという会社は一度も入ったことが無い」とのことです。
GEMFOREXの公式サイトでもベトナムサポートセンターの紹介記事は削除されているので、サポートセンターは元から無かったのではないかと推測しています。
他の大手FX業者の名前も無かったので、ホワイトラベルの可能性も低そうです。
ちなみに、現在はベトナムサポートセンターのページは削除されていますが、コチラに記録を残しているので、必要に応じてダウンロードや印刷などしてください。
GEMFOREXは都合が悪いことがあると、すぐに記事やSNSアカウントを消すので注意が必要です。
セントビンセントおよびグレナディーン諸島は既に除名済との話
続いて、日本向けのライセンス先と言われているセントビンセントおよびグレナディーン諸島です。
セントビンセントおよびグレナディーン諸島は実質的には「金融ライセンスではなく法人登記のみ」となります。
セントビンセントでは金融庁の登録をせずに、法人登記をするだけで法律上、海外向けの営業が可能です。
ですので、セントビンセントの金融庁を見ても、GEMFOREXの名前はありません。
登記先住所は複数の業者が登記している管理会社
セントビンセントの住所である「Suite 305, Griffith Corporate Centre, Beachmont, Kingstown, St.Vincent and the Grenadines」は複数の業者が登記している管理会社となります。
Griffith Corporate CentreはGEMFOREXの他にもHFM(Hotforex)やAxiなども同じ住所の305号室に登記があります。
HEALTHと書かれた看板は、コチラの住所に「Health and Medical Services」という会社が入っているのが理由です。
コチラの登記先は様々な苦情が入っているようで、コチラのページに注意が書かれています。
「弊社305号室のテナントに関する詐欺などの苦情は、Wilfred Serrvice、または政府金融犯罪対策課へ連絡、解決できない場合は裁判所を通じて法的手段を講じてください」
・Griffith Corporate Centre305号室の誤用/乱用(英文)
Griffith Corporate Centreの人から話を伺うと、GEMFOREXは既に除名済との情報でした。
追記:GEMFOREXはセントビンセントの登記は無し
後日、セントビンセントで調査してくれた人から、金融庁での検索方法を教えてもらいました。
コチラの検索フォームで”gemtrade”や”gemforex”で検索しても、GEMFOREXは出てきませんでした。
先日Griffith Corporate Centreの人から聞いた通り、既に除名になっているようです。
ですので、GEMFOREXは現在、セントビンセントの登記は無い状態になります。
セーシェルの登記先はVISTRAが管理会社
セーシェルの登記先(Vistra Corporate Services Centre, Suite 23, 1st Floor, Eden Plaza, Eden Island, Mahe, Republic of Seychelles)を調査しました。
GEMTRADE LIMITEDという名前でセーシェル金融庁の登録がありますが、実際に行ったところ、VISTRAという管理会社がありました。
登記先はショッピングセンターのテナント
エデンプラザというショッピングセンター内に、GEMFOREXの管理会社がありました。
セーシェルで登記をしている海外FX業者は、ほとんどがエデンプラザに入っています。
エデンプラザの2階のテナントにVISTRAという管理会社がありました。
コチラがGEMFOREXの登記先となり、VISTRAが登記場所の提供やライセンスの取得などを代行していると思われます。
すぐ近くにXMやExness、IC Marketsもテナントとして入っていました。
同じVISTRAにBigBossも入っているので、BigBossとGEMFOREXは同じ住所ということになります。
(GEMFOREXとBigBossは関係性は無いと思われます)
ちなみにVISTAは英領バージン諸島にもあり、そこにはiFOREXが入っています。
モーリシャスの登記先はIQEQが管理会社
モーリシャスの金融ライセンスはLINDHOLM CAPITAL LTDという会社での登記となっています。
コチラの会社をIP検索してみると、オランダの会社が出てくるので、GEMFOREXとは違う会社の可能性があります。
(日本のGEMFOREX公式サイトはAkamaiというIPを特定されないようにするCDNを使っていて、LINDHOLM CAPITAL LTDはオランダのサーバーを使っています)
以前のGEMFOREXの会社概要ページ
GEMFOREX公式サイトを見ると、現在はセントビンセントになっていますが、以前まではモーリシャスとなっていました。
ライセンス先の調査レポート
モーリシャスのライセンス先の住所(33, Edith Cavell Street,C/o IQ EQ Fund Services (Mauritius) Ltd,Port-Louis, 11324 Mauritius)に行ってみると、IQEQという管理会社となりました。
コチラは企業の管理サービスを提供している会社で、登記や金融ライセンスの取得などの代行をおこなっていると思われます。
コチラは非常に大きな形の変わった建物でした。
IQEQは1階もしくは1~2階だけだと思われ、それより上はオフィスもしくは住宅用だと思われます。
GEMFOREXについて
GEMFOREXの会社情報などについて紹介します。
GEMFOREXの会社概要
サービス名 | GEMFOREX |
---|---|
会社名 | Gemtrade LLC |
住所 | Suite 305, Griffith Corporate Centre, Beachmont, Kingstown, St.Vincent and the Grenadines |
サポートセンター ベトナム |
A&B Tower, 76 Le Lai Street, Ben Thanh Ward, Dist. 1, Ho Chi Minh City, Vietnam > オフィスのご案内 |
電話番号 | (+84)-28- 62561119(ベトナムサポートセンター) |
設立 | 2014年(創業2010年) |
金融ライセンス | セントビンセントおよびグレナディーン諸島(FSA) 法人番号:076092 |
グループ会社/ライセンス | セーシェル(FSA)、モーリシャス(FSC) |
WEBサイト | https://gemforex.com/ |
問い合わせ | https://gemforex.com/contact.php |
ベトナムサポートセンターのリンクも掲載しましたが、現在は削除されています。
ページの前半で説明しましたが、サポートセンターは実体が無いものと推測されます。
GEMFOREXの検索は日本がメイン
検索エンジンのツールを使ってGEMFOREXについて調べてみると、ほとんどが日本で検索されているので、日本人ユーザーの割合が圧倒的に高そうです。
続いてインドに多いですが、月間100回しか検索されていないので、日本と比べると、知名度がまだまだ低そうです。
“gemtrade”でも検索してみましたが、海外ではほとんど検索されていない様子です。
LPはBeeks Financial
GEMFOREXは何かにつけてLP(リクイディティープロバイダー)を理由にしますが、以前にLPを調べたところBeeks Financialが出てきました。
BeeksはVPSで有名な会社です。
他の業者でBeeksを使っているところもありますが、GEMFOREXのような出金トラブルは一切起きていません。
GEMFOREXは何か不都合があるとLPを理由に言い逃れをしているので注意しましょう。
追記:Beeksに確認をした結果
実際にBeeks Financialに「出金に関してLP側で審査をしているのか?」聞いてみたところ、「出金に関する審査はしていない」とのことでした。
まぁ誰でも分かるような嘘ですが、念のため確認をしたので参考にしてください。
GEMFOREX Globalについて
Twitter上でGEMFOREX Globalのアカウントがありますが、コチラはあまりフォロワーもいないことから、海外での知名度はまだまだ低そうです。
場所がCyprus(キプロス)となっていますが、GEMFOREX Globalはキプロス金融庁の許可は得ていないです。
ただ単にキプロスから配信しているのか、キプロスのライセンスを持っているかのように見せたいのか。というところでしょう。
GEMFOREXの検索ボリュームを見て分かるように、GEMFOREXはほとんどの売上が日本に偏っている状態です。
コンタクトセンター設立に伴いサポートセンターの閉鎖について
ふ〜ん#gemforex pic.twitter.com/UIUINPsjjz
— まんぼう総裁@小山武修 (@manbou_FX) May 9, 2023
先日、まんぼう氏がベトナムサポートセンターに現地調査をし、サポートセンターが無いことをGEMFOREXに問い合わせたようです。
GEMFOREXのサポートからは、「コンタクトセンター設立に伴いベトナムから移行した」との回答があったようです。
しかし、私たちがABタワーの受付の人に話を伺った時(調査日:2023年2月23日)には「5年以上前からGEMFOREXおよびGEMTARDEは入っていない」との情報でした。
GEMFOREXのサポートセンターのページは、WayBackツールを見る限り2022年6月16日までの記録は残っています。
つまり、ベトナムサポートセンターは元々無かった可能性が高い、もしくはあったとしても2018年2月以前には引っ越しをしているはずです。
まとめ
ゲムゲム
ベトナムサポートセンターと3つのライセンス先の調査結果を紹介しました。
現在、渦中にあるGEMFOREXですが、ベトナムサポートセンターの件や、SNSの突然の削除、トラブルの理由をLP(Beeks Financial)のせいにするなど、様々な点で、GEMFOREXは情報操作や虚偽を部分的に使っている可能性があるので注意が必要です。
モーリシャスの会社も現在は情報が削除されていますが、LINDHOLM CAPITAL LTDのホームページは今でも存在し、オランダにサーバーが置いてあるので、別の会社ではないか?と、個人的に疑っています。
他の業者の現地調査レポートはコチラのページにまとめているので参考にしてください。